第2話:ギルド初利用

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街に戻ったユート達は、取り敢えずその足でリュナンの店に向かう。 汚れたり壊れた装備品を、整備して貰うのが目的だ。 「リュナンさん!」 「おお、姫さんに坊主に嬢ちゃんじゃねーか。冒険の方は上手くいったかい?」 「はい、何とか」 苦笑いのクリスを見て、リュナンは首を傾げた。 予め聞いていた冒険は確か薬草を捜して来るという、割と簡単なお使い的な依頼だった筈だが、探索中に魔物と遭遇しただけにしてはボロボロ過ぎる。 街の近くにある森に出てくる魔物など、ユート達の力量ならどうという事も無いと見ていたが…… 「何かアクシデントでも有ったのかい? えらくボロボロなんだが」 「はい、実は……」 クリスの説明を聞いて驚愕してしまうリュナン。 「莫迦な、彼処は魔素が少ねーんだから大した魔物が出るわきゃ……って、学園の裏山ん時と同じか!」 流石と言おうか、元は一流の冒険者だけあって直ぐに察したらしい。 「兎に角、装備品の整備を頼みたいんだ」 「成程な、確かに折角の装備品もこれじゃあ、次の冒険には使えねーからなぁ。確りと整備しといてやる」 「ありがとう、リュナンさん」 「応! 処で、遭遇したってのはどんな魔物だ?」 ユートの言葉に応えると、気になっていた事……果たしてどんな魔物と戦ったのかを訊ねてきた。 「樹木系の魔物で、食虫植物が巨大化したみたいな、謂わば食人植物って感じの魔物だったよ」 「食人植物? ウッディみてーな木じゃなく草みてーなタイプか。だとしたら、ウツボカズラーか?」 「うわ、まんまな名前」 地球の食虫植物に靫葛が存在しているが、よもやそんな名前の魔物が居るとは、夢にも思わない。 「うーん、でもあれって確か人間より少し大きい程度でしたよね?」 「そうだが、ひょっとしてもっとデケーのか?」 「はい、明らかに数メルはありましたね」 「なら、人間の倍以上か」 リュナンは、思った以上の巨体だと知って顎に手を添えながら考える。 「姫さん達が前に遭遇したっていうグレートグリズリーにせよ、今回の巨大なウツボカズラーにせよ、魔素の少ねー場所で有り得ねーレベルだな。どうなってやがんだか?」 「判りません。この事は、ギルドにも報告はします。証拠になりそうな部位を取って来ましたし」 「そうだな、そうした方が良さそうだ」 リュナンも肯定した。 .
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