はじまり

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下に降りて行くと、優希がご飯を作ってくれていた。 というより、何時も作ってくれている。 優希は世話女房みたいなもんだ。 リビングでは、妹が本を読んでいた。 (題名は…相対性理論…こいつ俺より本当に年下か?) 「あ、お兄ちゃんおはよう」 「お前は朝っぱらよくもまぁそんな頭痛くなりそうなもん読めるな…?」 「え、あぁこれ?とっても面白いんだよ??お兄ちゃんも読んでみたら?」 「そんなもん読んだら蕁麻疹がでるわ」 「それはないでしょ〓」 妹は楽しそうだ。 こいつは西涼高校付属中学に通う中学二年生の妹だ。 名前は沙紀という。 「ところで、優希はどこいった?」 「お兄ちゃん、優希ちゃんになんかしたの?顔真っ赤にして、ずっと流し台のところで惚けてるよ」 (これは不味いな…こいつに知られたら殺される…) 「い…いや、何もしてないぞ」 「ふーん、まぁいいけど。優希ちゃんにエッチなことしたら殺すからね」 この妹はヤケにエロチックな事に関しては厳しいのだ。 (まぁ何はともあれ、謝っといた方が良いよな…) 「優希?さっきはすまんかったな…」 「あ…あの…その…私で…良いなら…」 「あの〓…優希さん??話聞いてますか??」 「優也に…なら…なにされても…いい…」 「お〓い起きろ!」 身体を揺する… 「え…?ふぇ!?」 といって二人で倒れる。 ドタン! 「どうしたの??優希ちゃん?」 まずい… 今の状況をあいつに見られたら… 確実に殺される!! そんな事を考えているうちに妹が来てしまった。 「お兄…ちゃん…?ねぇ…何してるの?」 「えっとな!これはだな!そう不可抗力だ!万有引力だ!」 ついつい訳のわからんことを口走ってしまう… 「お兄ちゃん…その手は…何?」 手が優希の胸にあることに今気づいた。 (こいつって着やせするタイプだったんだな…ってそんなこと考えてる場合じゃねぇだろ!) 「お兄ちゃん…最期に言い残す事は?」 ヤバい… 結構本格的にヤバい… 目が据わっている… 手にはフライパン… 「言い残す事はなさそうね…」 「ちょっっ!待って!」 「何?」 「こいつ何気に胸でかいぜ☆」 (しまった…つい思ったことがでてしまった…あぁせめて童貞は卒業しときたかったなぁ) そう思っていると… ブーーン! バッチーーン!! 「ぐぼふぁ!!」 空を飛んだ感覚がした。
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