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分かってくれたのか!
「ホントだな? ホントに一緒に住むんだな?」
目を爛々と輝かせていたに違いない俺の、よっしゃー! と喜びの雄叫びが喉の奥から出かかった時。
「ただし……」
静かにそれを奈央が止めた。
「ただし……ってなんだよ?」
「今夜は帰る」
「なっ……!」
人を喜ばせておいて、1分も保たずして落とす気か!?
「だって、上司の身体にも秘書としては気を遣わなきゃいけないんでしょ? だったらね? 今夜は帰らなくちゃ」
「なんだそれ、全く意味わかんねーんだけど」
「だって大変でしょ? いつもパーティーの後は、体力使いすぎる傾向にあるし?」
「……っ!」
奈央が小悪魔的微笑を浮かべる。
奈央が何を言いたいのか直ぐに分かった俺は、押し黙った。
仕方なくねぇか?
2人でゆっくり逢えない上に、パーティーで奈央に突き刺さるヤロー共の視線を見た後だぞ?
2人きりの夜になったら、感情も理性も解放して、結果、息子が暴走するのは男の性ってもんだ!!
それにだ!
体力使ってクタクタになったとしてもだ!
それは、心地よい疲れであって、それ以上にスッキリさっぱり……────以下、割愛としながら、声には乗せられない言葉で一人ゴチる。
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