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案の定……
「悪くない」
うんうんと頷く芹沢の父に、
「さすがは奈央ちゃんだね」
と、褒め称える水野の父。
うちの親父に至っては……
「いやいや、さすがは奈央さんだ! うちの敬介より、よっぽど柔軟な発想をもっておられる。こんなしっかりした女性がサポートしてくれるなら、今後こんな息子に跡を譲っても安心だ!
いや、いっそ奈央さんに跡を継いでもらった方が良いか。どっちにしても、これで沢谷家は安泰だ!」
────本気で殺意を覚えた。
唯一、申し訳なさげに頭を下げてくれたのは奈央の母親で。
だからと言って、奈央の発案をひっくり返すだけの効力には至らない。
親父達が奈央の意見に賛同するんじゃ、俺がどんなに騒ごうとも、この場所では反対意見など通りそうにない。
ならばと、マンションに帰ってから、2人きりになったところで奈央の説得を試みた訳だが……。
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