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「ところで、勝手に入っていいのかな……」
「いいんだよ、どうせテスト休みだし。普通に部活で来てるのもいるしな」
「それならいいんだけど」
隼人と優の合格発表を見届けた翔達は二人に校内を案内をしつつ、バスケ部の部室にたどり着いていた。
翔は杏里達を伴い中に入ると、書類の束を握って深刻な顔をしている剣悟がいた。
「ちーっす、何だその紙の束は?」
「まずいことになった、見ろ…」
翔は渡された数枚の紙を見て、顔から血の気が一気に引いていき崩れ落ちていく。
危うくテーブルの角にぶつかりそうになったものの、杏里と美菜に支えられ、衝突を免れた。
「たたたた、退部届って!?」
「昨日やりあった相手が悪かったらしい。あの連中、あの辺りではかなりの札付きだとかあの店の店員が言っていた…」
「それ、もっと早く言っとこうか……」
「要するに、昨日翔達が行った店で成敗した連中が憂さ晴らしかなんかで……、ってな感じ?」
「まー、簡単に言えば谷中の言う通りだな」
なぜか挙手した梨乃が言った意見にすぐに立ち直った翔は同意した。
「こうなると、死活問題になるぞ…、四人では試合自体ができなくなる…」
「まー、どうにかなるっしょ。隼人も入るんだしな」
「それは4月からだがな…」
話し合いがまとまったところで、ひとまず翔達は部室を後にした。
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