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「結構かっこいい人なのね」
「まさか、杏里ちゃん!?」
「好きになる相手が変わったな」
「そうじゃなくて、私はただ……」
体育館から外に出ると、空はいつのまにか夕方の色に染まっていた。
「ただ……、何だって」
「なんで翔があの人に憧れたかってのがわかった気がしたから」
「とか言ってるぞ、翔」
「谷中ぁっ!」
「冗談、冗談だって」
梨乃の冗談に律儀にツッコミを入れていると一行は校門に着いていた。
「じゃ、舘華とかにもよろしく頼むな」
「了解っす、甲兵の奴腰抜かしますよ」
「そうなることを期待してるさ」
そう言って鳴海は別れたが、最後に言った言葉を翔と杏里は聞き逃さなかった。
「全国行き期待してるぜ、高中……」
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