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離婚後にまず、俺がしなきゃいけなかった事は身の回りの整理だ。
俺はまず、腐った結婚生活を
そのまま表したように散乱した家の中を一人で片付け始めた。
その家には最近まで女が生活していたとは思えない程の有様で衣類や不要なゴミがそちらこちらに散乱していた。
この家は、サトミが中学生の頃からサトミのお母さんが借りていた一戸建ての貸家で
家の押し入れの中などには当時のサトミや妹達やお母さんの
私物がまだ多く残っていた。
サトミはこの家を出て行く際に必要なものだけを持って行ったのだが、あとのものは全て置いて行った。
俺はサトミの妹達を家に呼んで必要なものだけを持って行ってもらった。
ゴミを分別している時間も無いので、とりあえず不要な物は
全て軒先から家の庭に放り投げた。
家の中に、サトミ達が暮らしてきた痕跡となるような物が無くなった頃には
家の庭はゴミが山の様に溢れて庭一面をゴミが覆っていた。
トラックの荷台一台分はあっであろうか…。
はたから見れば【ゴミ屋敷】
そのものだ。
しかし俺には、それらの物が
家の中にあるのは、とても我慢しきれなかった。
庭に投げ捨てたゴミの中には
離婚前の俺達家族が幸せそうに笑って写っている硝子の割れた写真立てもあった。
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