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サトミは結局、携帯代も払ってはくれなかった。
浮気に使ったのであろう15万円もの料金を
なんで俺が払わなければならないのか?
(サトミの浮気の面倒を俺がみているみたいじゃないか)
そう考えると虚しくなるので
その金だけは絶対に払いたくなかった。
実際すぐに15万円払えと言われても俺には払える額ではない。
かといって、払わなければ俺が仕事で使っている携帯まで停まってしまうのだ。
サトミが払えないとごねている間にも、支払いの期限が迫ってくる…
嫌でも俺が払うしかなくなり
銀行でお金を借りた。
携帯代の他にも払っていなかった保育料や家賃を払うのに
借金がまた50万ほど増えた。
しかし、サトミがやらない以上は俺がやらければならなかったのだ。
家の片付けの次は支払いの整理
面倒な事のほとんどを俺が被った。
(こんなのはフェアじゃない)
離婚後もサトミに対する憎しみは増えていくばかりだ。
(あんな女と一緒になるんじゃなかった)
(あの女がした事は罪ではないのか?)
(もし、罪ならその罰はあの女に下らないのか?)
結婚の責任をまる投げにして
男に逃げた。
そんなのが通用するなら
結婚なんてする価値がない。
俺はそんな怒りを必死で押さえ身の回りの整理をしながら
新たな生活を始める準備を整えた。
9月
俺は22歳。
サトミの抜けた穴
ピースの足りないパズルを
また一から組み立て始めた。
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