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「そうか。それだけ聞ければ、もう十分だ」
項垂れ、ぼそりと呟く。すると人間共は笑いを小さくした。
「おっ、潔く死ぬ気になったのかー?いいねいいねー、人間思い切りが大事だぜー?」
「ご褒美として一思いに首を掻っ切って終わらせてやるよ。オレ達は思い切りがよくねーし中々上手く殺せないと思うから、そこは勘弁してな?間違って首じゃなくて腕を切ったりしちゃうかもなー」
「そうそう、間違えて鼻とか削げ落としたり、目とか抉っちまうかもな」
遊ぶ気満々じゃねーか、とまたしても沸き上がった嘲笑。
下卑た笑いが、頭痛と共に頭を埋め尽くしていく。思考力が低下し、麻痺していく。
―――――もう、いいか。
「……んあ?」
不意に、人間共の内の一人が笑いを止めた。
「どうした?」
すかさずその人間に質問が行く。
笑いを止めた人間は質問には答えずに、ゆっくりとその腕を上げ、眼前へと持って行く。
「……なんだよ、これ」
その腕に手首から先は付いてなく、代わりに断続的に血を噴き出す切断面が存在していた。
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