俺を取り巻いていた環境

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数分後、準備を終えた俺と朔夜は静まった道場で向かい合っていた。 組手や柔道用に床が畳みになっている箇所で向かい合った俺達は、お互いに構えつつ今か今かと審判を務める師範の掛け声を待っている。 ……はっきり言って、今の俺のコンディションは最悪に近い。 三時間走りきった事により、整理運動をしたとはいえ関節は軋み、筋肉は疲労から強ばり微かな痙攣を起こしている部位もある。 こんな状態で朔夜と手抜きなしの組手をするとは……まぁ、ぼやいていても仕方がないか。 そこで、思考を切り替える。 今はどう朔夜に勝つかを考えなくては。師範の息子が入門して三ヶ月と少しの門下生に敗北するわけにはいかない。 しかし…… ちらりと朔夜の眼を見る。 その眼は鋭く、俺の一挙一動を注意深く観察しているようだ。 ……朔夜は、この三ヶ月の間で物凄く上達している。 恵まれた体型ということもあり、更にはこの道場に入門する前にも空手や柔道を囓っていたらしく元々ある程度の型は出来ており、力も強い。 勝てるのだろうか……
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