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それは、遠い昔の物語。
今は神様と呼ばれる者たちは、世界を創りました。
次に、生き物と呼ばれる存在を創りました。
神様達は、箱庭の中の数多の生物の中でも群を抜いて目覚ましい進化を遂げる、人間と呼ばれている自分達と同じ形態をした生物が特にお気に入りでした。
人間は、醜くも美しくありました。
人間は争い、妬み、しかし人間は愛す。まるで自分達の生き写しだと神様達は喜び、恩恵を与え続けました。
その内、神様達は人間の持つ《善悪》という自分達のものとは少し変わった倫理学に基づく思考に興味を示しました。
善は受け入れられる。
悪は糾弾される。
いつだって、正義と呼ばれる存在は勝ち、悪と呼ばれる存在は負ける。
大変面白いと思った神様達は、この法則が保たれるよう、多少世界を歪めてでも善悪の比率、力のバランスを調整し続けました。
そのおかげで、世界は平穏を保持し続けました。
すると、ある日。そんな世界に《ナニか》が現れました。
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