過去の存在

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そして、多くの人々が悲しみに暮れたその日。 夜遅くに、世界で一番大きな国の国王の元へ、一体の《特別な魔》が訪れました。 《特別な魔》は、こう言いました。 『自分は魔を操る魔の王である。魔は全て自分の命令を聞いているに過ぎない。全ての悲しみの元凶である自分が憎いか?』 それを聞いた王様は、こう言いました。 『例えそなたが元凶であろうと、私には憎むことは出来ない。思考や姿は違えど、そなたも等しく生きているのだから』 そう言って再度和解を持ちかけた王様。しかし、《魔王》はそんな優しく高潔な王様を襲いました。なんと非道なのでしょうか。 王様が殺されてしまう直前。 異変を感じ取った《勇者様》が王様を救いました。 《勇者様》は、世界に愛された人です。《魔》を倒す力を持っています。 激闘の末、《魔王》は《勇者様》に倒されました。 世界は《勇者様》によって救われました。 しかし、まだまだ《魔》は蔓延っています。 それは、《魔王》が復活することを暗示しているのではないか、と民は怯えました。 しかし、怯える民に《勇者様》は言いました。 『皆で力を合わせて《魔》と戦っていこう。私達は、手を取り合えばどんな《敵》にも負けない』 その発言に勇気付けられた民は、《魔》に負けない心を持ち続けると、《勇者様》に誓いました。 そして、世代が変わっても語り継ぎ、称え続けました。 ―――――《勇者サクヤ・カーレッジ》の物語を。
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