14455人が本棚に入れています
本棚に追加
/222ページ
そして、多くの人々が悲しみに暮れたその日。
夜遅くに、世界で一番大きな国の国王の元へ、一体の《特別な魔》が訪れました。
《特別な魔》は、こう言いました。
『自分は魔を操る魔の王である。魔は全て自分の命令を聞いているに過ぎない。全ての悲しみの元凶である自分が憎いか?』
それを聞いた王様は、こう言いました。
『例えそなたが元凶であろうと、私には憎むことは出来ない。思考や姿は違えど、そなたも等しく生きているのだから』
そう言って再度和解を持ちかけた王様。しかし、《魔王》はそんな優しく高潔な王様を襲いました。なんと非道なのでしょうか。
王様が殺されてしまう直前。
異変を感じ取った《勇者様》が王様を救いました。
《勇者様》は、世界に愛された人です。《魔》を倒す力を持っています。
激闘の末、《魔王》は《勇者様》に倒されました。
世界は《勇者様》によって救われました。
しかし、まだまだ《魔》は蔓延っています。
それは、《魔王》が復活することを暗示しているのではないか、と民は怯えました。
しかし、怯える民に《勇者様》は言いました。
『皆で力を合わせて《魔》と戦っていこう。私達は、手を取り合えばどんな《敵》にも負けない』
その発言に勇気付けられた民は、《魔》に負けない心を持ち続けると、《勇者様》に誓いました。
そして、世代が変わっても語り継ぎ、称え続けました。
―――――《勇者サクヤ・カーレッジ》の物語を。
最初のコメントを投稿しよう!