俺を取り巻いていた環境

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名前が思い出せずに、顎に手を添えて考える。 頭文字がMだから、ま、まぞ……? あ、そうだ。 「マゾヒストか」 思い出し、ぽんっと手を叩く。すると、朔夜は俺を形容しがたい目で見つめ…… 「祐也……大丈夫か?」 優しく、しかし確かに正気を疑われた。 思わず顔を背け、朔夜のその視線から逃れる。 く、何故だ……っ!別に俺は恥ずかしいこともおかしいこともしていないはずなのに……! 「……ふ」 と、そこで不意に笑い声が聞こえてきた。 不思議に思い声の方を見れば、そこには…… 「はは、やっぱり祐也って面白いよなっ!」 腹を抱え、声に出して笑う朔夜がいた。 顔赤いよ、と俺に言いながらも尚笑い続ける朔夜は実に楽しそうだ。 ……一体、何が楽しいのだろうか? このように、朔夜の傍にいると疑問が尽きない。 そして、それに対して悪い気がしないのがまた不思議だ。
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