prologue

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季節は春。 もの凄く寒かった冬と比べて、今は猫もコタツから出て外を散歩できるほどになった頃。 俺こと、藤代 佑樹は学校へと行くために通学路の道を歩いていた。 曲がり角で女の子とぶつかるとか、朝っぱらからヤンキーに絡まれている女の子とか、そんな非現実的なことが起きることもなく無事、学校に着いた。 まぁ、仮にだ。 ヤンキーに絡まれている女の子をこの俺が見つけたとしよう。 そこで俺が助けに入って、そのヤンキーをフルボッコにしてフラグ回収という訳だが…。 現実の俺は、素通りだろう。 越えられない二次元の壁だろう。 じゃあ俺は何もしないのか? いやいや、そこまで落ちちゃいないさ。 そのヤンキーに不幸がおきますようにと神頼み。 まぁ、そんな状況に出くわしたことがないから神頼みも何もないんだが…。 あれか? 朝、寝坊したらラブコメ展開が俺を待っているのか? なーんてな。 そんなアホみたいなことを考えながら下駄箱から靴を取り出そうとする。
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