prologue

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昼食は、いつも一人で済ませている。 だって、友達いないもの。 購買で適当なものを買いに行き、自分の席に座り、いそいそと食べて眠りにつく。 これが俺のお昼の過ごし方である。 購買で買ったプァン(パン)を貪っていると、一人の女子に目がいった。 ソイツは仲良く友達と弁当を食べていた。 俺の幼なじみーー。 落合 杏(オチアイ アンズ) 綺麗な長い黒髪に整った顔立ちと成績優秀な完璧な女の子である。 彼女ほどラブコメのヒロインにふさわしい人はいないだろう。 けど、俺は中学校を卒業してから杏とは関わっていない。 高校に入って、イジメに遭いはじめた俺と関わると自分もイジメられるという理由かららしい。 もっともな理由である。 それを言われたときの俺の精神的ダメージは、それはもう南極の氷が全部溶けちゃうぞってくらいにヤバかった。 日本沈没どころではない、世界沈没である。 まぁ、実際に沈没したのは部屋の枕だけなのだが…。
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