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時おり、わたしの眼球にちらつく影のようなもの。
それはあくまでちらつくだけで近寄りもしないし、追いすがるわけでもない。
子供の頃はそれが怖いものように感じていた。
それはただ在るだけなのに。
それはただ在るだけで空気に似ていた。
だから、ないものだと勘違いしていた。
そして、別にそれがなくてもわたしは生きていける。
大切なものではない。
それよりも本当に大切なものと言い切れるものはある。
それでも、何か気になるのは何故かしら?
悲しくもなければ、嬉しくもないのに。
わたしの眼球にちらついていた影のようなもの。
いつからちらつかなくなったのか。
ないわけではなかった。
ただ在った。
その事実だけはわたしが言える確かなこと。
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