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一日の終わりを告げる月が空に輝き始め、辺りはだんだんと暗闇となって行くと、辺りからは夕飯の支度のためにいい香りが漂い始める。
「姉ちゃんってほんと色気ねーよな」
夕食中に突然発した弟の言葉。
それをいつものようにさらりと流す。
「別にいいでしょ。玖裡(くうら)には関係ないし、突然何言いだすのよ」
「俺のこんな発言はいつものことだろ?」
ニヤリと笑ってごはんを口に運んだ。
「姉ちゃんがもうちょっと色気あればな~」
ふう、とため息をつく。そんな弟を横目に捉えながら、
「あればなによ?」
と、聞いてみた。
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