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テーブルのお皿にある残り一つのから揚げに二膳の箸が突き刺さる。
「……これ、私のなんだけど?」
「いや、俺の方が先に刺した」
「「お母さん、どっち?」」
二人は声を揃えて言った。
「凛」
母が一言呟くと、高々にから揚げを掲げ、
「よっしゃぁぁぁ!!私の勝利だ!どんまい弟君!」
「くそう!」
…から揚げ一つで大はしゃぎである。
食事の後はお風呂を済ませて時計を見れば、それなりに遅い時間になっていた。
「お母さんお休みなさい」
階段を上がり自室に入ってベッドにダイブする。
「眠い…。今日はもう寝よう」
そのまま、凛は夢の中へと落ちる。これから起こることなど、何も知らずに……。
これは、夢であって、夢ではない。現実の世界とリンクしているが、死にはしない。精神世界をただ永遠にさ迷い続ける。
夢へと落ちればそこには闇が広がっている。
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