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『…魔法を打ったのはリオナだ―――けど、あんまり気にするな
アイネが防げることを分かって放った魔法のはずだし、アイネもなんで魔法を放たれたのか分かってるはずだからな』
カイトの視線の先には氷に包まれたアイネがいた
ピシピシッ…
皆が見ている中、アイネを包んでいた氷にヒビが入る
『アイネ…なんでリオナが怒ったか、分かってるだろ?』
氷は崩れ、アイネが片膝を立てて俯いていた
『お前に悪気が無いのは分かってる
けど、俺もリオナも…あの時の恐怖を覚えている
一度死にかけた――大切な家族が死ぬかもしれない恐怖は忘れられない』
俯いていたアイネは顔を上げカイトを見た
「…すまんかった」
『それは俺よりリオナに言ってやれ』
「……」
アイネは無言で頷くと立ち上がり、リオナを追って校舎に入っていった
走って行ったアイネを見送る中、残された3人は困惑していた
「どうして、彼女は魔法をアイネ使ったんですの…?
昔、何かあったのですか?」
あまり進んで話たくはない―――だが、カイトを見るルカの眼差しは強く、睨んでいる様にも見える
これは、自分達を不信に思っている者の眼差し…
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