合同授業

40/65
前へ
/226ページ
次へ
『リオ?』 数センチ先で止まった手を不思議に思いつつも名を呼べば、リオナの手は自分の手の平に重なった 『よし、行くぞ』 自分の手の平に置かれた手に素早く自分の指を絡めると、リオナの手を引き歩きだす 指を絡めて手を繋ぐ―――所詮、恋人繋ぎというやつだ カイトの行動に驚いたが、アイネより自分の方が特別な様で気分が良い アイネの先程のしたり顔が今は不満そうな顔で笑えた 一瞬でもアイネにカイトを取られた様に感じた自分が馬鹿みたいだ 「「「はぁー…」」」 カイトと手を繋いだことで殺伐とした雰囲気が消えた空間で、外野の3人はそっと息をついた そして彼らに続いて食堂に向かうのだった 食堂は思ったよりも空いていて、6人は空いている席を探した 「意外ですわ こんなに空いているなんて…」 「そうだね…」 「まぁまぁ、空いている方がいいじゃん? あ、あこ空いてる!」 ルカの呟きにユリアが頷くが、クラッドが言うことももっともだ そして空いてる席を見つけたクラッドは一人走って行った 5人は走って行ったクラッドを目で追っていたが、食堂に居た生徒たちが思わず目で追ったのはカイトとリオナ、アイネの3人だった
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1368人が本棚に入れています
本棚に追加