プロローグ

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リーフ大陸の東の国、アリエスト その国の中でも一、二を争う名門貴族のノアークス家では今、 当主のマルク・ノアークスとその妻、リディア・ノアークスの子供が生まれようとしていた マルクは自室で我が子が無事産まれるのを待っていた リディアが産気付いてから何時間もたっているため、その顔は険しい しばらくすると部屋のドアがノックされ、マルクは顔を上げ「入れ」という すると執事であろうものがドアを開けた 「失礼いたします旦那様。お産まれになりま…」 執事が言い切るのを待たず、急いでリディアの部屋へ向かう リディアの部屋の前ではメイドが待っていて 「どうぞ」といってドアを開ける ベッドには金髪碧眼のとても綺麗な女性がいた 彼女がリディア・ノアークスだ 彼女の腕の中には、先程産まれたばかりの子どもたちを抱いている 「大丈夫だったか!?子どもは!?」 マルクはリディアに近づきながら聞く それに対してリディアは 「大丈夫よ!私も、子どもたちも」 「子ども、たち…?」 リディアの言ったことに疑問を持ち聞き返す 「えぇ、子どもたち。 男の子と女の子の双子なのよ! 男の子がお兄さんで女の子が妹よ」 ほら、と言ってリディアは腕の中の赤子をマルクに見せる 「男の子はあなたと同じ青い髪よ」とリディアが言うと 「女の子はリディアと同じ金色だな」と続け、ふたりは顔をあわせて微笑む この日、ノアークス家に双子が誕生した
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