プロローグ

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双子の兄はカイト、妹はユリアと名付けられ、すくすくと成長していった 産まれたときは分からなかった瞳の色はどちらもリディアと同じ碧眼(青目)だった ふたりはいつも一緒で、親戚や他の貴族の人はそれをみて"とても仲の良い兄妹"と微笑ましく思っていた ふたりの5歳の誕生日 この日がこなければふたりはこれからも一緒にいれただろう その日はふたりの5歳の誕生日で、夜にはパーティーがある この国では5歳になったら魔力を測定し、役所に届け出ることになっている ふたりはそのパーティーで、魔力を測ることになっていた 夜、パーティーが始まってすぐに、ふたりはマルクに呼ばれた 「カイト、ユリア、こちらへ来なさい」 ふたりは大好きな父様(マルク)に呼ばれたので小走りで向かう するとマルクはパーティー客に向かい、少し大きな声で 「今日は、我が息子と娘のために足を運んでいただき、まことにありがとうございます。これより魔力測定を行います。見守っていただけると幸いです」 と言い、後にいた執事から2つの透明な水晶を受け取った 「さぁ、この水晶を持ったら"光れ"と念じるんだよ?」 そうふたりに言い、ふたりが頷くのを確認して水晶を渡した すると水晶が光り、周りが一瞬見えなくなった 光は弱まっていき、やがておさまった 光がおさまると周りがざわついた 今、水晶は白と青と赤の色に染まっている 「ちょっと…あの子…」 「あの子って、後継ぎじゃ…?」 周りの目はカイトの水晶に向いていた 透明なままの水晶に…
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