プロローグ

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パーティー会場から屋敷に戻ってきたマルクは、ふたりと子ども部屋に入り、ふたりを抱きしめた 「すまない、あんなことになるなんて…」 いつも聞いているマルクの声は、今は少し震えている 「すまない、すまないっ…っ…」そうマルクは繰り返し謝ってくる そこで、家に帰ってきてから初めてカイトが口を開いた 『ごめんね父様』 いきなり謝られて驚くマルク 『だって、ぼくのせいでみんなと、なかがわるくなったんでしょ…?』 「何を言ってるんだ!謝るのは私の方だ! 別に多くの人の前でする必要なんかなかったんだ! こんな辛い思いをさせることになるなんて…っ」 カイトを見ると泣きながら 『ぼく、いらなくなるんでしょ?』と言ってきた この言葉に驚いたユリアは泣きはじめる 「馬鹿なことを言うんじゃない!カイトはずっと私の息子だっ!ユリアも!」 パーティー会場で聞こえてきた周りの言葉に不安だらけになっていたカイトとユリアは、もう一緒にいることができないかも、などと悪い方にしか考えられず泣いていたが、先程のマルクの言葉で不安は消えた。 それからしばらく、ふたりはマルクの腕の中で泣いていたが、やがて眠りはじめた リディアも会場から抜け出してきたようで、子ども部屋にそっと入ってきた 「皆様には帰っていただいたわ」 どうやらパーティー自体を辞めてきたらしい… 「あら、寝てるの…?」 「あぁ」 「じゃあ、ゆっくり休ませてあげましょ?今日は嫌なこともあったもの… たくさん寝かせてあげましょう…」 「そうだな、おやすみ…カイト、ユリア」 マルクとリディアはそんな会話をしてから、ふたりをベッドに寝かせ、 ふたりの頬にキスを落として そっと部屋を出ていった
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