*+。会いたい。+*

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とりあえず、最後の別れ際は…何て言って別れたっけなー。 あー、最早忘れちゃったよ、私。 確か…お互いを忘れよう…集中できないから…とかだった気が……。 ということは…!! 「そうだ…!お互いを忘れようみたいな話をして、別れたんだ!向こうに行ったら、集中出来ないから忘れるって言われたんだ!」 食べていたパンをグシャッと握り締め、私は知らない間に大きな声で言っていった。 そうだそうだ!だから彰弥くんは、今の時期集中モードで、私を忘れようとしているんだ! だから、連絡も全然して来ないし、メールにも返事してくれない。電話にも出ないんだね! それに、この前なんか電話をちょっとかけてみたら、『このケータイ番号は相手先から拒……』みたいな声が流れてた! テスト期間なのかも!! 「…それってさ、別れ文句じゃない?」 「え?」 由衣が肘をテーブルに乗っけて、憐れんだ目で私を見ている。 「なんだ、その憐れみの目は。 …彰弥くんは、そんなんじゃないよ。きっと今はテスト期間か何かなんだよ!」 「テスト期間以前の問題。“お互いを忘れよう”なんて遠回しに“連絡しないで”の意味でしょ~? 別れてから、向こうから連絡来た回数は?」 彰弥くんから連絡来た回数…? んーと、彰弥くんとお別れして、それで…彰弥くんが一回日本に戻ってきて……その時は侑弥くんから戻ってくるっていう連絡を聞いて……その後はメールか電話でいくつかやり取りしたけど……。 …そう言えば 「彰弥くんからのメールも、電話も…ない。 全部私からだ…―」 全部、私からしか…連絡取ってない…。  
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