*+。それを頼りに。+*

21/29
前へ
/430ページ
次へ
それから2週間が経った…。 「やったー!これでやっとマイハウスマイホームに帰れる!」 無事完治して退院することができ、今は自分の荷物を持ち、伸びをして喜んでおります。 「ふふ、お父さんが今車出すから、ちょっと待ってて」 お母さんが笑いながらそう言い、私も「うん!」と笑顔で返事をした。 外の空気を目一杯吸い込んでいると、ポケットに入れていた携帯がリズムを刻みだした。 「…ん?」 携帯を取り、画面を見ると、彰弥くんからのメール。 あの前川さんとの一件があってからも、ちょくちょく来てくれていた。 何だかんだ言って、彰弥くんも優しいんだから。 お礼のメールしないと…。 あ、そーだ!今度、私の行きつけのパン屋さんのパン買ってあげようかな。 ちょっとしたお礼にっ。 ウキウキしながらメールを開いた。 【退院、おめでとうございます。無事、完治して何よりです。 何か盛大にお祝いをしたいところなのですが、俺は戻らなければなりません。 今度は、長期休暇の時に戻ってこようと思います。 また、会えない時間が続くと思われますが、俺のこと思い出してて下さい。 勝手なことを言ってるのは承知してます。 前言ったことと真逆だと理解もしてます。 ですが、蓮華には常に覚えてて欲しいのです。 俺のこと忘れないで下さい。 忘れた場合は、階段から転げ落ちて思い出して下さい。 では、次の長期休暇にお会いしましょう】 な、長いよっ! 無駄に長いよ!無駄なのかも分からないけど、長いよ! …でも、彰弥くんって変わったメール送るんだなぁ。 離れただけで、彰弥くんをそんな簡単に忘れるわけないのに。  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加