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「とりあえず返信返信っと」
ピッピッと携帯のボタンを押し、メールの文を打った。
【了解!
色々ありがとうね。彰弥くんが遊びに来てくれて楽しかったよ。
戻ってきたら、また遊んでね!待ってるよ】
こんな感じかな。
「よしっ!送信!」
送信ボタンを押し、携帯をパチンと閉め、ポケットに閉まった。
それと同時に、お母さんが私を呼ぶ声が聞こえる。
「蓮華ー!車ー!早く乗ってー」
「はーい!」
意気揚々と返事をし、私は走って車に乗り込んだ。
「蓮華は車に乗るのも久しぶりだよなぁ」
運転席から、お父さんが柔らかく笑う。
「うん、久しぶりだ!なんか緊張する!」
「そうね、久しぶりだから、また頭ぶつけたら厄介だわ。安全運転でお願いします」
お母さんが私の隣りに乗り込み、冗談混じりに笑う。
「確かに!お願いしまーす」
雑談しながら、私達は家に帰った。
家に入ると、久しぶりの玄関に涙が出そうになる。
「…うぅ…久しぶり過ぎて、なんか感動する」
「いいから、ちゃっちゃっと入っちゃって。お客さん来てるんだから」
お母さんは、私の感動なんてどうでも良さそうに、私の背中を押して、家の中にグイグイと押し込んできた。
娘の感動を何だと思っているんだ。
それにしても、お客さんって…?
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