*+。それを頼りに。+*

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「私が今までどんなに寂しかったか分かりますか!?」 「分かんねー」 義貴先輩はあっさり私の言葉に返事をする。 「酷い…」 「そういや、彰弥と最近どーだ?」 義貴先輩がマンガから目を離し、私に視線を向けた。 「え?彰弥くん?どうだって言われましても…何も」 なんでみんな彰弥くんの名前ばかり出すんだろう。 もしかして椿が勝手なことを色んな人に言ってたりするのかな? チラリと椿を見ると、「彰弥くんのこと、どうなってるのよ」と椿にまで言われてしまった。 「…だから、何もないってば。付き合ってもいないし、付き合う流れにもならないよ」 困ったように椿に言うと、椿より先に義貴先輩が反応した。 「え!何言ってんの!?だってお前ら付き合ってたじゃねぇか!別れたのか?」 「別れるとかではなくて…そもそも付き合っていないんです」 もう、困るなあ。みんなのこの勘違いをどうにかしたい。 なんでそんな誤解がうまれてるのか全く分からないけど。 「冗談言うなよ! みんな、付き合ってるって知ってんのに今更隠す意味なんてあるか?」 義貴先輩が笑いながら言う。 ……なんで? おかしいよ。 私、付き合ってなんかいないのに。 義貴先輩までこんなこと言うなんて、おかしいよ。 もしかして…私、無意識のうちに付き合ってるって周りに公言してたのかな!?  
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