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「…出来ないなら、したいなんて言わないでよね」
「確かに…。ごめん…」
由衣の言う通り。
自分でお化粧も出来ないくせに、何意気込んでんだっていう話だよね。
「…あはは!なんてね。
いいよー、してあげる!」
由衣が急に笑い出し、さっきの声のトーンとは全く違う明るい声で言ってくれた。
「ありがとうっ!助かったぁ!」
仕事が終わってから真っ先に行く約束をしてたから、由衣にお化粧をしてもらえると、だいぶ助かる!
「蓮華のためなら、ドーンとこいよ!
えーと、じゃあマスカラとグロスつけてチークもするから、特別価格1000円でやってあげる!」
「お金とるの!?」
「だいぶ奮発したんだけどね。ツケ睫毛もつけれるけど、追加料金が発生しちゃうよ!」
「どこのお店!?
ツケ睫毛はしないかな…」
「じゃあ、さっき言った1500円でやってあげるね」
「地味に値段上がってるのは気のせいじゃないよね」
私がグチグチ由衣の言葉に突っ込んでいくと、由衣は唇を尖らして嫌々ながら「分かったよ!じゃあ今回は無料ね」と言ってくれた。
次回からは、椿に頼むか、自分で頑張ってみよう。
由衣に頼むのは、もう今回きりにしよう。
お金、ぼったくられるから。
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