*+。感情プレパレード。+*

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「も、望月さん!!!」 2人で話を進めていくものだから、苛ついて声を荒げてしまった。 一瞬で周りが静まる。 さっきまでペチャクチャ話していた高校生さえ、会話を止めている。 し、しまった…! バスの中だった…! すっかり忘れてたよ! 「あれ、あんた…」 でも、望月さんは私の存在にようやく気付いてくれたみたいで、私を真っすぐ見てくれた。 「やっと気付いてくれたんですね!」 嬉しくて、また大きな声を出した。 「通りで、婆くさいと思ったら…やっぱり」 嬉しい私とは正反対の、クールな望月さん。 「…望月さん、こちらの方は?」 女の子が首を傾げて、私を見つめる。 「あー、この前無理矢理連れて行かれた時のメンバーの1人」 望月さんが言いづらそうに言うと、「あー!そうなんですか」と女の子は、何も気にしてないように言う。 「こ、こんにちは! えっと、二階堂蓮華です。望月さんには以前お世話になりまして」 とりあえず、先に挨拶をしてみた。 「コイツだよ、前あんたと似てるっていった奴」 女の子よりも先に望月さんが、女の子を指差し口を開く。 「…そうなんですか」 自分でも思った。何か似てる。雰囲気…? 「…は、はじめまして…。関谷 和花(せきや のどか)です」 女の子は、おどおどしながら挨拶をし始めた。 「自分でも思ったろ?似てるって」 「うっ…、なんで分かったんですか!?」 望月さんの言葉が当たっていて、私は何故か動揺してしまった。  
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