*+。感情プレパレード。+*

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「で、多分年齢同じだよな」 望月さんがそう言うと、関谷さんは「20歳です」と呟いた。 さっきまで意気揚々と望月さんと話していた彼女とは、何だか違う。 「じゃあ同じだね!私もだよ」 そう笑って言うと、彼女は目をまん丸にした。 「…私と全然似てないですよ。二階堂さんは、笑った顔可愛い…」 「…いや、前はもっとアレだったよ。前より化粧してるから、化けたんだな」 関谷さんの言葉に、望月さんはサラリと答える。 …望月さん、もっと良い言い方してくれないかな!? でも…関谷さんと私が似てるのは、あまりにもネガティブな思考だということが分かった。 「私、初めて言われたよ。ありがとう、関谷さん」 とりあえず、レアな言葉が嬉しかったからお礼を言っておこう。 「…本当のことです」 関谷さんも微かに笑う。 「ところで、これからドコか行くの?」 「はい!クリスピタヌキとアーモンドキツネwithシロップウサギのグッズを買いに行ってきます!私の好きなアニメなんです」 関谷さんはさっきの大人しめな印象とは裏腹に、ウキウキとした面持ちで答えた。 「わ、私も好き!!いいなぁ!」 「限定ボールペン入手してきます!」 「ちょ、ちょっと待って!お金あげるから私の分も買ってきてくれたら嬉しいな!」 「いいですよ」 関谷さんにお金を渡すと、快く引き受けてくれた。 「ありがとうっ!!!!あ!私もう降りないと!じゃあ、関谷さん宜しくお願いします! 望月さんも、また今度!」 いっけないいっけない! 降り忘れるとこだった。 私は丁度誰かが降りるところで、一緒にバスから降りた。  
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