*+。感情プレパレード。+*

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リゾットを待っている間、沈黙が続きそうで怖い。 ただでさえ、さっき侑弥くんの機嫌を損ねてしまったのに、これ以上空気を悪くしたら……私の片思いは終わる。 いや、潰れる。 否、潰される。 「…彰弥と、どうだ?最近は」 緊張して下ばっかり向いていると、侑弥くんの口からも変な質問が飛んできた。 「…ど、どうって…言いますと?」 「いや、何かさっき言ってたじゃん。 喧嘩でもしたのか?」 「な、なんで?喧嘩なんかしてないよ」 喧嘩?彰弥くんとそんな真っ向から喧嘩した記憶なんてない…。 というか、喧嘩をしたり言い合ったりする私と彰弥くんが想像出来ない…。 「…そうか?なら、いいけど。 お前の口から“付き合ってない”とか、ワケ分かんねー嘘出てきたから、喧嘩でもしたのかと思ってよ」 「…ワケ分かんねー嘘?」 「付き合ってんのに、そんな嘘おかしいじゃん」 侑弥くんから出る言葉は、思った以上に私の中で木霊する。 侑弥くんから、言われると思わなかった…。 「まあ、お前と彰弥が喧嘩するわけねーか。相性かなり良さそうだもんな、お前ら」 そう言って、侑弥くんは笑った。 私と…彰弥くん? 変な感じ…。 なんか、モヤモヤする…。 すっきりしないこの感覚は、なに…? 何に対して、すっきりしないのか分からない。 侑弥くんの言った言葉にショックを受けてるの? それとも、彰弥くんとのことが…引っかかってる?  
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