*+。感情プレパレード。+*

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――前川 美里side―― 「なによ、さっきの…」 バスから降りた二階堂さんが歩いてる姿が見える。 普通にバスを降りて、歩いていく姿にイラつきを覚えた。 なんなの? あたしが悪いわけ? あたしはただ好きだった…。 彼も、あたしが好きだった? なら、なんで何回もあたしを騙したの…? 好きなら、なんで……あんなことしたわけ…? あたしが気付かなかったから…―? 気付いてもらうって、そんなに重要なことなの? 同じ顔だから、辛いものなの…? 「…分からないわよ、そんなの…。エスパーじゃないんだから」 でも……あの子の言った通り、彼らも傷ついていたんなら…。 フと、彼が病院の外であたしに頭を下げていたことを思い出した。 あれが、彼の本当の気持ちだったら………―。 「……っ…」 鞄から携帯を取り出し、メールを打った。 あの気持ちが嘘じゃないんなら もう一回 もう一回だけ…―! 携帯の決定ボタンを押した。  
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