*+。感情プレパレード。+*

26/33
前へ
/430ページ
次へ
「…っていうか、蓮華に美里のアドレス教えた方が早いよね。教えるわ」 由衣が器用に携帯をピッピッといじりながら言う。 「あ、うん。分かった」 と言った後、すぐに携帯が振動し、見てみると由衣からのメールで前川さんのアドレスが付いていた。 …さすが最近の若者は携帯の操作が早いな。 「ありがとう、由衣」 「いいえ~。早くそっちを解決させて、あたしのデートの感想聞いてね」 由衣はフンフンと鼻歌を歌いながら、更衣室を出て行った。 ……協力的なのは、ノロケ話を真面目に聞いて欲しいだけか。 由衣らしいや。 フフッと笑って、彰弥くんに電話をかけてみた。 『おかけになった電話番号は着信を~』 あ……忘れてた。 なぜか分からないけど、私は着信拒否されてたんだ。 これは、これは……。 通話終了ボタンを押し、フーッと溜め息が出る。 …知らない間に何かしちゃったのかな…。 嫌われるようなこと……。 彰弥くんに嫌われてると思うと、胸がすごく痛い。 涙が出てきそうなくらい……。 「って、感傷に浸ってる場合じゃないや!彰弥くんがダメなら、侑弥くんに聞いてもらおう!」 侑弥くんに早速メールをし、聞いてもらえるように頼んでみた。 「よし、後は返事待ちだっ」 前川さん、待っててね。 2人が向き合うまで、後もう少しだから…―。  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加