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思っていたより侑弥くんの返事は早くて、『教えてもいいってよ』という単文だけだった。
そのメールを仕事終わりに見た私は、バスに揺られながら、由衣から教えてもらった前川さんのアドレスにメールを送ることにした。
良かったね、前川さん。
【前川さんへ。お疲れ様です。
二階堂蓮華です。今朝は、身勝手なことばかり言ってしまい、ごめんなさい。
前川さんの気持ちを考えたら…って思うと、後で申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
彰弥くんの電話番号とアドレス、教えてもいいということだったので教えます。
xxx-5473-xxx
xxyyxx-xxxx-~~
ごめんね。
頑張ってね】
よし、送信。
前川さんにメールを送った後、自然と溜め息が出る。
あー、ダメだ。
また皺が増える…。
最近ほうれい線がすごいんだよね…。
バスの窓の反射で映る自分の顔を見ながら、皺を伸ばしてみたり、つねったりしてみた。
皺は直らず、ただ痛いだけだった。
そんなことをして時間を潰していると、携帯が振動し、前川さんからのメールが来たと知らせてくれた。
へ、返事してくれた…!
変に喜びが湧き、携帯のディスプレイを見た。
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