*+。会いたい。+*

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「そう?あんまり風にあたってると、夏でも風邪ひいちゃうわよ。中に入ろ」 椿がズイズイ私の背中を押して、私達は家の中に入った。 そう…まったく季節感が無かったが、今は夏でございます。 もう6月よ……なのに彰弥くんから全く連絡が来ないのよ…。 「…会いたいなぁ」 夕飯も食べ終わり、ベッドの上でゴロゴロして、これから牛になろうか…と思いながら、彰弥くんの写真を眺めていた。 「…本当に、私のことなんて…どうでもいいんだろうなぁ」 会いたい会いたい会いたい。 もうストーカーになっていい程、会いたい。 まだ日本のどこかだったら会いに行けるのに、外国だったら行けないしなぁ。私、チキンだしなぁ。 彰弥くんは、私のことどうでもいいかもしれないけど、私はとりあえず彰弥くんに会ってお話がしたい。 1日だけでいいから、傍に居れたら…なんて思っちゃう。 本当に……1日でいいから…―。 なんて考えていると、涙がポロッとこぼれ落ちてきた。 …やばいやばい。泣いちゃダメだよね。 急いで、そこら辺にあったタオルで目元を擦った。 「…ふぅー」 泣いたら、本当に寂しくなるから…ダメだ。 もっと私は強くならないと…。 よーし!こういう時は恋する乙女の参考書!少女マンガを読むとしますか! このマンガの中の子達だったら、私と同じような子がいるはず…。 自然消滅に近い子…じゃない!ダメだダメだ! 私と彰弥くんは、まだ消滅してないし! 生きてるし!存在してます!消滅してません! 頭を懸命に横に振り、自分に言い聞かせた。 よし…! 大丈夫大丈夫!!  
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