*+。感情プレパレード。+*

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座らないという決心を固めている関谷さんに、望月さんは溜め息を吐いた。 あれ、望月さんが折れたか…? 「お前、これ持って」 望月さんが急に自分の荷物を関谷さんに持たせた。 な…―っ! 女の子に重たい荷物持たせるなんて…! 関谷さんを見ると、「え、あ…はい」と断れずにいる。 望月さんの荷物も持った関谷さんは、さっき以上にふらついている。 望月さんって、ちょっと優しいと思ったけど、やっぱり…冷たいかも…。 私が荷物を持ってあげようかな…。 「あ、私が荷物持と…」 「重いだろ?じゃあ、ここ座れ」 望月さんが関谷さんの両肩を押して、糸も簡単に揺れている関谷さんを座らせる。 「…私、立ちますって」 関谷さんは席に座りながらも、必死に望月さんに言っている。 「いいって。さっきから後ろに圧されてたろ」 「で、でも足マッチョにならないと、白人男性からモテないですし…」 「だから、現実にあるわけねぇだろ!そんなパターン!! つーか、周り見ろ!白人男性はいねーぞ」 望月さんの言葉遣いが荒くなると、関谷さんはやっと折れたのか、「……はい、今度はいる時に心がけます」と言った。 「…分かればいい」 望月さんも面倒くさくなったのか、そう言う。 ……この2人の関係がイマイチ…分からない。 望月さんは、関谷さんが他の人にぶつかったりしないように、さっきは徹底的に守ってたし、今だって関谷さんの前から一歩も動かない。 ……いいなぁ。 彰弥くんも、もしバスに一緒に居たら…こんな感じなのかなぁ? あ、また悲しくなってきた…。  
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