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「うぅ…っ…彰弥くん……………ふっ…えぐ…っ……」
「あーもう!だからお前は泣くな!2人揃って、面倒くせぇな」
つ、冷たい。
ドライすぎる。
「望月さん、泣いてる女の子が傍に居たら、ギュッと抱きしめてオデコにチューしてあげたら、ポイント上がりますよ」
関谷さんが真顔で言う。
…それは分かる。
ポイント上がる上がる!好きなキャラじゃなくても、それはトキメくね!
で、そのキャラの声優さんまで好きになっちゃうね。
あ、何かそんなこと考えると涙止まった…。
「誰がするか、気色わりぃ」
「今ので好感度が確実に下がりましたね。クリアにして、もう一度やり直さないと、彼女は落とせませんよ!」
「リアルでもゲーム感覚でいるな!別に落としたくもねぇし」
「ハーレムルートは攻略しないんですね。一番楽しそうなのに」
「俺の話聞いてた?」
「あ、そうだ!
二階堂さん!この後、暇ですか?」
「おい…、頭かち割ってやろうか」
望月さんの言葉を綺麗にスルーする関谷さんに話を振られ、ビクッと肩が揺れた。
「あ、ええっと…暇…です」
「じゃあ、どこかでお話しませんか?もしご迷惑じゃなかったら…」
関谷さんが遠慮がちに聞いてくるものだから、行く気満々だよ!という意を込めて、関谷さんの手をギュッと握った。
その瞬間、関谷さんは無表情だった顔をパアァッと明るくさせる。
なんか、めんこいなぁ。
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