*+。もう一回。+*

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「こ、これって…あの限定品の…!?」 恐る恐る、関谷さんが持っている物に手を伸ばした。 手に持つと、存在感と輝きを放つボールペン。 クリスピタヌキとアーモンドキツネは定番だが、レアなシロップうさぎが出てくるという素晴らしさ! うわあぁ!仕事でなかなかグッズを買いに行けなかったけど、レア物を見ると嬉しいなぁ。 「……これは、この前買ってきたものです。……もう一つ…あります」 そう言って、またガサゴソとカバンの中を漁る関谷さん。 「…?」 もう一つ? 恥ずかしそうに、平たい何かを取り出した。 「…これ帰ったら読んで下さい」 スッと私に差し出してきた袋に入った何か。 「あ、ありがとう」 その平たい何かは本みたいだった。 そういえば、限定ボールペンのお金は払ったけど、こっちのお金は払ってないよね。 「こっちのお金払うよ!」 「い、いえ!いいです!これは二階堂さんにプレゼントします!好きかどうか分からないけど…」 「で、でも…」 「いいんです!あげます!」 関谷さんが、俯きながら必死に言うものだから、勢いに圧されて… 「あ、ありがとう」 と大人しく頂くことにした。 望月さんは、その流れを黙って見ている。 保護者みたいだなぁ。  
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