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「り、利用するだけ…!?それって、何だか寂しくならないんですか?」
利用するだけの存在って悲しいだけなんじゃないかな。
望月さんは好きな子に近付きたいが為に、関谷さんを利用している。
関谷さんはリアルな人間に恋をする為に望月さんを利用している。
うわぁ、なんか複雑。
私にはついて行けない…。
「寂しくないですよ」
「なんで寂しくなるのかが分からない」
関谷さんと望月さんはサラリと言う。
何だかなぁ。
この2人、性格合いそうなんだけどなぁ。
「そんなことより、二階堂さんは好きな人と別れたくないんですよね?」
「…う、ん」
「じゃあ、好きって伝えましょう!」
関谷さんは満面の笑みで携帯を取り出した。
一瞬、この子何言ってるの?と思ったけど、関谷さんは本気みたいだ。
望月さんも「は?」と言いたげな顔で関谷さんを見た。
「二階堂さん。彼氏さんに電話して気持ちを伝えるんですよ」
「電話って…私…着信拒否されてるし…」
ああ、やだ。
また悲しくなってきた…。
「ちゃ、着信拒否されてるんだったら…!
わ、私の携帯から電話して下さい…!」
関谷さんはテーブルに自分の携帯を勢いよく置いた。
「………………」
「………………」
望月さんと私は、関谷さんのそのいきなりの行動に、どう反応していいか分からなくなった。
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