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みんな、最終的にはラブラブでハッピーエンドなんだよね…。
そう、私だけ。
私だけさ。ハッピーエンドじゃない女なんて…。
彰弥くんが好き過ぎて、ストーカーになりそう。
私って惨めな女の子。
略して、ミジン子。
……自分で言ってて悲しくなってきた。
溜め息混じりに、パラパラとマンガを捲ると、フとあるページに目が止まった。
「…えーと。“好きな人の為に鶴を折ってみませんか?好きな人に一瞬の癒しをあげましょう”かぁ」
ほうほう、興味深いなぁ。
まず、折り紙で鶴を100羽折るのか…。
好きな人の為に……彰弥くんの為に…。
彰弥くんを喜ばせたい…!
癒しをあげたい…!
どうせ私なんか家に帰っても暇だし、折り紙を折ってる間は彰弥くんへの思いで、胸がいっぱいになって、寂しい気持ちもどこかに飛んでくかも。
一石二鳥だ!
のめり込むように、折り紙を折り終わったらどうすればいいのか続きを読んだ。
「…わあ、こんな癒しをあげられるんだぁ。頑張ろうかなー」
次、彰弥くんに会う時までに完成させればいいんだもんね。
不器用な私でも、毎日折ってたら100羽なんて、あっと言う間だよ。
この鶴を完成させることで、彰弥くんに幸せが降り注がれるんなら、意地でも完成させるぞー!!
よしっ!
決めた…!
鶴を100羽折る…!
絶対に完成させてみせる…!!
そうと決まれば、明日から折り紙買ってきて、鶴折ろう。
寂しい気持ちを投げ捨て、新たな気持ちで彰弥くんを想おう。
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