*+。もう一回。+*

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ゆ、許せない!その友達!! その友達に跳び蹴りして往復ビンタをくらわしたい! …さすがにそれは暴力的だね。お菓子3袋で許してあげなくもない。 『……蓮華、大丈夫ですか? 蓮華の携帯で電話出来ないってことは誰の携帯で話してるんですか?』 「あ、ああ、これは友達の携帯だよ」 関谷さんをチラッと見ると、嬉しそうに笑っていた。 『友達って女性ですか?男性ですか?お見舞いに行った時に出くわしたお友達じゃないですよね?』 彰弥くんの声がトゲトゲしい。 「ち、違うよ!ちゃんとした女の子の友達だよ」 私もついついどもってしまう。 『そうですか。 でしたら、安心ですね。 もし、嘘吐いてたら次会った時…』 「嘘じゃないよ! 大丈夫だよ!」 何が大丈夫なのか全く自分でも分からないけど、彰弥くんに伝えた。 フフッとスピーカーから笑った声が聞こえ、私の気持ちも和らいだ。 『…冗談ですよ。 今度、長期休暇があるので、また帰りますね』 また帰ってくる…。 嬉しいなぁ。 ちゃんと彰弥くんに会えるんだ。 ……そういえば、前川さんの件はどうなったんだろう。 前川さんは、彰弥くんに何か伝えたのかな…? って心配しても…聞ける勇気なんて私にはないんだけど。 「帰って来る日教えてくれたら、空港まで迎えに行くよ」 『ありがとうございます。 お気持ちは嬉しいのですが、ただ帰って来たら、すぐに会わなくてはいけない人がいるので……』 彰弥くんはそう言って、言葉を濁した。 もしかして……会わなくちゃいけない人って、前川さん…?  
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