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「そっか…」
自分で大したことないって思っても、私の気持ちは正直なくらい態度に出ていて、何て言っていいか…言葉が出てこないくらい気持ちが重かった。
『ええ。あ…蓮華に会う時は、こっちのお菓子沢山持って行きますから、楽しみにしてて下さい』
「…うん、ありがとう。た、楽しみだなぁ!」
彰弥くんの声に合わせて、無理に明るく振る舞った言葉。
『椿と義貴先輩と侑弥と春樹くんの分も持って行きますからね。
この間は忙しかったので、なかなかそんな余裕無かったものですから』
「…あ、ご、ごめんね。私が階段から落ちなかったら、もっと楽しく会えたのに…」
彰弥くんには申し訳ないことしたなぁ。
久しぶりに日本に帰ってきたのに、私は頭ぶっけて、病院で入院してるし、みんなには楽しく会うのも難しかっただろうし。
『…本当ですよ』
溜め息混じりの彰弥くんの声に申し訳なさが更に募る。
「本当にごめんね。沢山迷惑かけたね…」
ああ…やっぱり彰弥くん怒ってるよね……。
全然話せなかったし、私彰弥くんと会えたことに感動をあまりしてなかった気がする…。
『…ふふ、そんなに気に病まないで下さい。
蓮華から電話が来ただけで安心しました』
さっきの声とは打って変わった明るい声に、私もパアァッと顔を明るくする。
「ありがとう彰弥くん!私も彰弥くんと話せて良かったよ!」
『ええ。では、そろそろ蓮華の友人にも悪いでしょうし…今度お会いした時にゆっくり話しましょう』
「あ、そうだね!
じゃあ、またね!」
そう言ったと同時に、私は間髪入れずに通話を切った。
このまま切らなかったら、絶対切るタイミング逃しちゃうもんね…。
彰弥くんともっと話したくなっちゃうし…。
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