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電話を切った後、すぐに関谷さんを見た。
「せ、関谷さん!!」
「は、はいぃ!!」
「お前、ビビりすぎ」
私の言葉に肩を跳ねさせる関谷さんに、望月さんが呆れる。
「あはは。携帯、ありがとう。
おかげで、久しぶりに話すことが出来たよ」
「い、いえ。喜んでもらえて良かったです」
関谷さんもフニャッと笑う。
気が緩む笑みに、ちょっと心が癒された。
「関谷さんって、内気そうなイメージだったけど、とっても芯が通ってる子なんだね」
携帯を返しながら言うと、関谷さんは「へ!?え、うわっ!」と言って、渡した携帯を落としてしまった。
カシャンッと携帯が大きな音をたて、床に落ちる。
他のお客さんがチラチラとこちらを見ている……うぅ、そんなに見ないでくれ。
「…ご、ごめんなさい…。わたし…」
関谷さん……?
手、震えてない…?
「手ェ、かかるなぁ」
フーッと望月さんが息を吐く。関谷さんは、申し訳なさそうに顔を歪ませていた。
関谷さんの横から、望月さんがヒョイと顔を出し、関谷さんに携帯を渡した。
「ほら、もう落とすなよ。携帯壊れんぞ」
「あ、ありがとうございます…」
関谷さんは携帯に付いているストラップを大事そうに触った。
……それを見て望月さんは、不満そうな表情だ。
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