*+。もう一回。+*

17/21
前へ
/430ページ
次へ
「関谷さん、ごめんね。私、悪いこと言ったつもりはないんだけど…」 そこまで動揺するとは思わなかったなぁ……。 私が謝ると、関谷さんはアタフタし出す。 「ち、違うんです!二階堂さんが悪いわけじゃなくて、私が悪いんです! だから気にしないで下さい」 そんなこと言われても、関谷さんに不愉快な思いをさせたのは、きっと間違いなく私だ。 理由は分からないけど…。 「…ちゃんと理由も言わねーと、納得しないだろ」 望月さんがポンッと関谷さんの頭を軽く叩いた。 関谷さんは下唇を噛み締め、何かを決意したように私を真っすぐ見てきた。 「……私、褒められるのが怖いんです!!」 「えぇええぇ!!」 関谷さんのよく分からないカミングアウトに、私は大きな声で驚いた。 「昔から、褒められたら…涙が出そうなくらい怖くなっちゃって…」 関谷さんはビクビクしながら言葉を告げる。 世の中っていうのは、色んな人がいる。 どうしてか分からないけど、ここで深く首を突っ込んでも…関谷さんを傷付けるような気がする…。 「そっか、褒められるのが苦手ってことは、罵られたりするのが好きなんだね。 じゃあ関谷さんはエムなんだね」 冗談混じりに笑って言ってみせると、関谷さんは「へ?」と首を傾げた。 「私も少女漫画とか好きだから、私から見たら望月さんはエスで、関谷さんはエム。 2人は相性が良さそうだね」 「…あ、有り得ない!無理!無理!無理!無理無理!!」 「俺の方が嫌だわ、馬鹿」 拒絶の言葉を吐き出す関谷さんに、望月さんがフンッと顔を逸らし言う。 「ああっ!ですよね!すみません!」 関谷さんは望月さんに柔らかい笑みを向けた。 …やっぱり拒絶されたり罵られたりする方が好きな子なのか?  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加