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「あ、ありがとう…!本当にありがとう!つばきぃ!」
ビニール袋の口をギュッと握りしめ、泣くのを堪えてお礼を言った。
椿は素っ気なく、「次捨てたら、もう拾ってあげないからね」と言う言葉を残し、私の部屋を出て行った。
良かった。
再度ビニール袋の中の鶴を見やり、笑みを浮かべた。
椿には、何度も救われてる気がする。
私の心が折れそうになった時、椿は解決策をいつも生み出してくれた。
その分、椿絡みで心が折れそうになった時も幾度かあったけど…ね。
椿には、感謝しても感謝しきれないなぁ。
「…よしっ、やるか!」
自分に気合いを入れ、鶴折りを再開させた。
しばらく鶴を折っていると、携帯がブルルルッと震えだし、メールが来たことを知らせた。
「…ちょっと息抜き。息抜き」
フーッと息を吐き、携帯のディスプレイを見た。
「え?」
【蓮華。
日本に帰国する日が決まりました。
明後日帰ります。
自分で、長期休暇を決められる期間に入れそうなので、今回は長く居れそうです。
みんなに会えることを楽しみにしています。
もちろん、一番は蓮華ですが。
では、また明後日お会いしましょう】
間違いなく、それはさっき話していた彰弥くんからのメールだった。
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