*+。おかえり!。+*

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って言っても、不器用な私はなかなか素早く折ることが出来なかった。 幼稚園や小学生の頃、クラスの女子は折り紙に夢中になっていたけど、私はあまり折り紙で遊んだ記憶がない。 あの時、折り紙で沢山遊んでいれば……こんなに一つの折り紙に対して時間がかからなかったかもしれない。 でも……、こんな折る作業も楽しいと思えるのは…きっと彰弥くんのおかげだ。 彰弥くんと会えて、前よりは少しはマシな人間になれたと思う。 ひねくれてはいるけど、私がちょっとでも変われたのは彰弥くんのおかげだ。 ありがとうを何度言っても足りないくらい、私は彰弥くんの存在に助けられた。 「…時間があったら、お菓子も焼いてみようかなぁ」 キミに会えるのが楽しみすぎて、まだ完成してもいない鶴達を見て、そう呟いた。 この鶴と、お菓子をあげた時…彰弥くんは一体どんな顔をするんだろう。 想像しては顔をにやつかせ、まだ分からない明後日に胸を躍らせた。  
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