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「…んげ、れ……げ、れんげ…」
「わ、分かってる…。ジャーマンポテトはジャガイモ料理…だよね…」
「蓮華ったら…!!」
「……!!?」
突如、耳元で大きな声が聞こえ、私は肩を大きくビクつかせた。
そのおかげで目が開いた。
「……あ、椿。おはよう」
「おはよう…じゃないわよ!なんでキッチンで寝てるの?」
「…え、彰弥くんにクッキー…作ってあげたくて……って、あっ!?クッキーは!?
確か私の頭の中では出来上がって…!」
首をグイッと上にあげ、まだ自分の思い通りにならないダルそうな首を左右に動かした。
言葉を言いかけた途端、私の目の前にこんがりと焼けたクッキーが入ってるお皿が目に入る。
「…ああ、良かった。
夢じゃなかった」
これでお菓子もプレゼント出来る。
嬉しくて口角を上げると、椿が私の両端の頬をグイッと引っ張った。
「今、何時だと思ってるの!?何時に彰弥くんが帰ってくるの!?」
「え?ええ!?
ちょ、ちょっと…!痛い痛い痛い!いたた…私、シャワー浴びてくる…!!」
急いでキッチンにあるテーブルと椅子と私の頬を引っ張ってる椿から離れ、自分の部屋に戻って服を取り、脱衣場に駆け込んだ。
ああ!!!どうしよう!間に合わないかも!
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