*+。おかえり!。+*

12/30
前へ
/430ページ
次へ
――――――――――――― ――――――― 「…んげ、れ……げ、れんげ…」 「わ、分かってる…。ジャーマンポテトはジャガイモ料理…だよね…」 「蓮華ったら…!!」 「……!!?」 突如、耳元で大きな声が聞こえ、私は肩を大きくビクつかせた。 そのおかげで目が開いた。 「……あ、椿。おはよう」 「おはよう…じゃないわよ!なんでキッチンで寝てるの?」 「…え、彰弥くんにクッキー…作ってあげたくて……って、あっ!?クッキーは!? 確か私の頭の中では出来上がって…!」 首をグイッと上にあげ、まだ自分の思い通りにならないダルそうな首を左右に動かした。 言葉を言いかけた途端、私の目の前にこんがりと焼けたクッキーが入ってるお皿が目に入る。 「…ああ、良かった。 夢じゃなかった」 これでお菓子もプレゼント出来る。 嬉しくて口角を上げると、椿が私の両端の頬をグイッと引っ張った。 「今、何時だと思ってるの!?何時に彰弥くんが帰ってくるの!?」 「え?ええ!? ちょ、ちょっと…!痛い痛い痛い!いたた…私、シャワー浴びてくる…!!」 急いでキッチンにあるテーブルと椅子と私の頬を引っ張ってる椿から離れ、自分の部屋に戻って服を取り、脱衣場に駆け込んだ。 ああ!!!どうしよう!間に合わないかも!  
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2795人が本棚に入れています
本棚に追加