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シャワーをおよそ3分で終わらし、服を着て、髪を乾かし、整髪料をつけ、ご飯を食べ、クッキーをラッピングし、鶴も可愛らしい袋に入れ、私は上手く自分を飾れなかったけど…まあ、いいか。
時間がない。
時計は見てないけど、この一連の作業をおよそ10分で出来た私に拍手したいくらいだ。
「椿!起こしてくれて、ありがとう!!行ってきまーす!」
「…はーい。
行ってらっしゃーい」
朝食を食べている椿に玄関から大きな声でお礼を告げ、私は家を出た。
「空港まで間に合うといいけど」
こうなったら、なけなしのお金を使って、タクシーに乗って空港まで行くしかない!
タクシーが待機してそうなところまで走り、ちょうど近くに止まっていたタクシーに乗り込む。
「く、桑山空港までお願いします!」
「はい、分かりましたー」
タクシーのおじさんがダルそうに返事をする中、お金を出す準備をしようとカバンの中をごそごそと漁る。
お財布を取り出すと、次はさっきまで全く見てなかった時間が気になり、携帯を取り出そうと、カバンの中を再び漁った。
「…あれ?あらら?」
カバンの中を探して探して探し漁っても、携帯が見つからない。
もしかして、私……忘れてきた?
いや、もしかしなくても…完璧に忘れた……。
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