*+。会いたい。+*

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「へへ…って、わっ!力入れすぎて、折り紙破けちゃった」 …私の手の中には、首がちょっと破れてしまった鶴がいた。 ありゃー、失敗。 完成に近付いてたのになぁ。 でも、破れた鶴は彰弥くんに見せられない…。 ポイッとゴミ箱に投げると、破れた鶴は綺麗にゴミ箱に入っていった。 今の鶴は失敗したけど、16羽は作れたなぁ。 2時間で結構作れたのは、思い出に浸っていたおかげかもしれない。 どこかが破れた鶴が、山のようにゴミ箱の中を埋めているけど…私にしては、よく出来た方だよね。 この折る作業を繰り返ししていけば100羽なんて、あっと言う間だよね。 よーし! まだまだ頑張るぞー!! 自分にフンッと渇を入れ、また折り紙を掴み、鶴を折り始めた。 次は、何を思い出そうかなー。 あ、彰弥くんの好きな所を沢山思い浮かべよう。 んーと、優しいところでしょ。 紳士的なところ、たまに腹黒くなるところ、ノーマルと見せかけてドSなところ、笑った顔が格好いい、照れた顔は可愛い、瞳が綺麗で睫毛が意外に長い…。 瞳が綺麗ってことは、心が綺麗ってことで、何だかんだ言って他人のことも考えてくれて…。 あと、あと…… ギュッてしてくれた時に、ちょっと甘い匂いする……。 お菓子みたいな匂いで、食べたくなってお腹すく……。 「……………」 だ、ダメだああぁ!!! 私、変態みたい!! 食べたくなって、とか何!? 彰弥くんを!? 私、気持ち悪いよ! で、でも……彰弥くんの髪からも、甘い匂いがして…。 って、ダメえぇ!! なんか危ない…! 危ない人みたい!! 変態だっ! 私、変態だ!! 変態です! 次会うとき、彰弥くん気を付けて! いや、私が気を付ければいいのか!  
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