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今頃、2人で楽しくお話して、その後彰弥くんは15時に私と会って、別れの言葉を私に告げるのだろう。
そう思うと、気持ちがまた沈んできた。
でも、私に2人を邪魔する権利はない。
だから、15時になるまでここでゆっくり休むだけ。
それまで心の準備をしていないと。
すぅっ…と息を吸い込み、深く吐いた。
「……お別れって、どうやって受け止めよう…」
ああ、独り言が出てきてしまう…。
もうそんな歳なのか…と、更に落胆してしまう。
「…別れるのかな…やっぱり」
深く、また溜め息を吐き、言い捨てると
「別れませんよ…!」
後ろから声が聞こえた。
「…え?」
振り向くと、彰弥くんが浅く肩を上下させながら立っていて、後ろには前川さんが息を整えているのか脇腹を抑えていた。
「…あ、あれ?前川さん……彰弥くん?」
視線の先には、つい先程私の中ではカップル成立がした2人…。
あ、それより……。
彰弥くんの後ろにいる前川さんを見ると、またバチッと目が合ってしまい、申し訳なさに目を逸らした。
こんなところにいて、ごめんなさい……言葉では言い表せないことを頭の中で呟いて謝った。
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